こんにちは!人生の旅人です。
私は、30代中盤で妻・子供もいる中で、地方の大企業→東京のスタートアップ→地方のスタートアップへの転職を経験。本業では、新卒から一貫して人事をしています。
前回の転職記では、私がどのように転職活動を進めたのか、ざっくりとお話しました。(前回の記事はこちら)
今回のテーマは、「転職時のリアル・苦労したこと」です。
転職の進め方はわかったけど、転職ってそんなうまくいくのかな…?
もちろん転職活動ではうまくいくことばかりじゃありません。今回は私が体験した転職時のリアル・苦労したことをお話しします。
転職の軸
まず前提として、私は以下を軸として転職を進めていました。
- 現状と同様に、妻・娘ともに親族の近くで暮らしたほうが幸せそうなので、引っ越しはしない
- 転職先は、大企業も幅広く見ながらも、裁量を持って仕事ができるスタートアップ
- 業種としては、これからさらに大きな産業になるであろうIT産業
- 理想の人事ができる企業
家族の幸せを優先して、引っ越しはしない
この軸は、転職を決めてからもブレることはありませんでした。
私は地方に住んでいるので、特に東京に引っ越せば転職先も広がることは理解していました。
しかし、私自身は仕事はあくまで人生の一部にすぎないと思っているため、なにより家族が幸せでいれる環境を優先しました。
家族が幸せでいれば、自分も幸せでいれると思っているからです。
転職先は、スタートアップかつIT企業
退職を決めた理由(記事はこちら)の裏返しですが、以下を望むのであれば大企業への転職では意味がないなと思っていました。
- 裁量を持って働けること
- どこでも通用する専門性を身につけること
- 自分自身でキャリアを創れること
もちろん、同じ大企業と言っても、会社によって状況は異なるとは思いますが、自分が望んでいた上記のような理想は、大企業では構造的に実現が難しいのが事実です。
(これは、自分自身が大企業で人事をしていたからこそ、肌感覚で実感していました。)
ちなみにですが、とはいえ、転職活動を進める中で、私は大企業も選考に応募していました。
一番の理由としては、自分自身一つの企業でしか働いたことがなかったため、他の大企業の実態がどうなのかを知りたかったからです。
もう一つは、後述しますが、スタートアップだと給料が下がることが明白だったため、大企業だとどうなのだろうと受けてみていました。
理想の人事ができる
大企業の人事は、構造上、どうしても伝統的かつ日本的な人事をせざるを得ません。
もちろん、多くの大企業が時代に合わせて人事の考え方・自体を変えていることは間違いありません。
しかし、これまでの伝統的な人事に慣れている社員を何千、何万と抱えているので、すぐに大幅に人事制度を変えるのは難しいのが実態です。
また、大企業の場合は、関係会社・子会社も沢山あるので、人事制度を変えた際の影響力がとても大きい。
もちろん子会社とはいえ違う会社なので、人事制度自体が異なりますが、関係会社は大企業の方針に合わせて(習って)、人事制度を構築しているのが実態です。
上記を踏まえると、大企業で人事制度を変えるにしても本当に少しずつ変えざるをえないため、私自身がやりたい人事をやるのは大企業では難しいと思っていました。
私がやりたいと思っていた人事は、「性善説で一緒に働く仲間を信じ、自由と責任を前提としてカルチャー、人事制度を構築する」というものです。(念のためですが、従業員の言うことを全てなんでも聞くというものではありません。会社・従業員ともにお互いを信じ、自らの言動には責任を持つということです)
自らの理想を追求し、それが学べる、実現できる企業を探していました。
転職活動のリアル、苦労
これまで記載したような軸で転職を進めましたが、大企業からスタートアップへの転職を志したが故に、当然リアルな苦労がありました。
職務経歴書が書けない
まず困ったのは、職務経歴書です。
職務経歴書には、自分が経験してきた業務の詳細を記載します。
大事になるのが、何を担当してきたのかではなく、「自分なりにどんな工夫をして、どんな成果を達成したのか?そして、それが転職先での成果実現にもつながるのか?」ということです。
もちろん私自身、大企業では一生懸命仕事をしていましたし、まがりなりにも成果は出してきたつもりでした。
ただ、職務経歴書を書きながら思ったことは、
- 自分は社内のやり方しか知らない
- 人事のほんの一部しか経験していない、そしてその多くが運用に関する知識
- スタートアップでは求められる能力、経験が異なる
ということでした。
大企業では、ほとんどの業務が定常化され、誰がやっても80%の完成度は出せるようになっています。また、ほとんどの業務の80%以上はもうすでに完成されていて、残りの20%以下の部分、特に運用部分を実態に合わせて改善していくことがほとんどでした。
なので、エージェントの担当者の方に指導いただいたように、
- 社外一般でも通じるフレームワークや知識をどのように取り入れ、応用したか
- 人事全体の中で、どのように位置づけて施策を実行したのか
- 自分自身でどのような意思決定をして、実行まで責任を持ったか
がアピールするのがとても難しく、なんとか書きましたが、とても狭い範囲、小さな領域となってしまい、「自分は本当に社外で通用するのか」と絶望的な気持ちになったことを覚えています。
最初の頃は特に、今の自分で見ても相手に魅力が伝わらない書類を出してしまっており、志望度が高かったにも関わらず、面接にさえ進めずにもったいないことをしてしまった企業がいくつかありました。
今私自身もスタートアップで選考担当をしていますが、大変恐縮ながら書類選考で落とすケースは結構多いです。
スタートアップは自分も含め、選考に使えるリソーセスが限られることに加え、一旦採用するとミスマッチがあっても他部署に異動するなどの対応が難しいため、必然的に選考が厳しくなります。
たかが選考書類、されど選考書類なので、しっかりとエージェントの指導をもらって準備することをオススメします。
地方はスタートアップが少ない、東京の企業で働くならばフルリモート勤務
なんとか選考書類を仕上げ、いざ選考に!という中で、地方在住だとそもそも受けられるスタートアップが少ないという現実に直面しました。
地方自体にスタートアップが少ないことに加え、人事担当者が必要なスタートアップは、会社・事業のある程度のフェーズに達している必要があります。(その前段階のスタートアップは、経理・総務・人事・広報など、管理系の業務を一人でこなしていることが多い)
なので、結果的には、現実的な路線も踏まえ、まずは自分が社外にニーズがあることを確認することを優先し、
- 東京のスタートアップ
- 東京・大阪の大企業
の選考を受けることにしました。
私は、「引っ越しはしない」ことを転職の軸としていたため、基本的にはフルリモート勤務前提で選考を受けることになり、引っ越すことを前提に転職する場合と比べて、さらに受けられる企業が少なくなりました。
二次面接が通らない
結果的に、応募した企業は20社、そのうち、書類選考で落ちたのが半分くらいだったと思います。
面接に進んだ約10社については、スタートアップでは特に、とにかく二次面接が通らない。理由としては、職務経歴書が中々書けなかったことと同じです。
面接担当者からの質問、特に以下のような質問に自信を持って答えられない自分がいました。
- 結局、人事のうちどの領域に強みがあり、具体的に何ができるのか?
- 自分自身で意思決定をして、何かを変えた経験はあるか?
- どんな成果を転職先の企業にもたらすことができるのか?
一方で、大企業の選考ではそれなりに評価を得られた実感はありました。(そりゃこれまで大企業の中で、大企業のやり方で成果を出してきてはいたので)
しかし、それが故に、「大企業に行っても結局何も変わらない」という実感を強く持ち、スタートアップへの転職の想いを強くし、開き直ってとにかく選考を受け続けました。
年収は良くて大企業時の3分の2、通常だと半分
ここが一番のリアルです。
もちろん覚悟していましたが、面接を進める中で、必ず年収の話になりました。
「大企業からの転職ということですが、年収は下がりますが大丈夫でしょうか?」
何回、この言葉を言われたか…
実態として、年収は良くて大企業時の3分の2、通常だと半分でした。
当時の自分の年収をスタートアップで維持しようとすると、部長・役員クラスで転職することが必要。
この実態を目の当たりにした際に思ったことは、「大企業での年収を自分の市場価値と思ってはいけない」「自分は恵まれていたんだな」ということです。
改めて新卒で大企業に入社できたことを感謝したことを覚えています。
まとめ
これまで書いてきたように、スタートアップへの転職を目指し転職活動をした際には、リアルな苦労がありました。
- 初めての転職活動、求められるものが異なるスタートアップへの転職を目指すからこその書類選考、面接の難しさ
- 地方在住だと転職できるスタートアップが少ない(リモート勤務ができる企業が増えてきたとはいえ)
- 年収は確実に下がる
今回の記事はいかがだったでしょうか?
次回は、「嫁ブロック、会社からの退職ブロックのリアル」について書きたいと思います。
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