こんにちは!人生の旅人です。
私は、30代中盤で妻・子供もいる中で、地方の大企業→東京のスタートアップ→地方のスタートアップへの転職を経験。本業では、新卒から一貫して人事をしています。
スタートアップへの転職は、近年多くの注目を集めています。
実際に転職を考える際には、自分自身が後で後悔をしないように、メリットやリスク、さらには多くの人がどのような体験をしているかを把握することが重要です。
実際スタートアップに転職した人は、転職したあとどんなふうに思っているんだろう…。
本記事では、経済産業省やリクルートが発表した調査データを基に、スタートアップ転職の実態や傾向について紹介します!
スタートアップ転職に関する調査
スタートアップへの転職に関する調査は、少し古いですが経済産業省(2020年7月)とリクルート(2024年9月)が公開している調査レポートを参考にしました。
経済産業省「⼤企業からスタートアップへの転職経験に関する調査」
- ⼤企業⼈材が感じるスタートアップに対する漠然としたネガティブイメージとリアル①
- ⼤企業⼈材にとって、スタートアップ転職は働き⽅、給与、やりがい等の⾯で不安要素が多い。実際にはスタートアップ転職経験者の満⾜度は⾼く、仕事の充実も⼗分に得られている。
- ⼤企業からのスタートアップ転職は年収が下がることも少なくないが、その事実を踏まえても転職を後悔している⼈は⼀⼈のみ。約9割が仕事の楽しさ・⾃由度が⼤幅アップと回答。
- ⼤企業⼈材が感じるスタートアップに対する漠然としたネガティブイメージとリアル②
- 仕事内容や待遇に満⾜しているためにスタートアップ転職に興味が向かない⼤企業⼈材が多いなかで、転職経験者は⼤企業に在籍しつづけることにむしろ危機感を持つ傾向を持つ。
- ⼤企業からスタートアップへの転職を決意した理由として、「⼤企業でイノベーションを起こすことに限界を感じていた」、「仕事の⾃由度・裁量が不⼗分だった」、「今後のキャリアに限界を感じていた」ことが⼤きい⼀⽅で、「⼤企業への不満は特になかった」が転職を決意したという⼈も4割近くいる。
- ⼤企業⼈材が感じるスタートアップに対する漠然としたネガティブイメージとリアル③
- ⼤企業での業務経験やスキルとスタートアップでのキャリアとの関連付けができない⼤企業⼈材が多いが、転職者の多くが⼤企業で⾝に着けた業務経験・スキルを役⽴てている。
- コミュニケーション能⼒、外部連携⼒、⽇本語⼒が役に⽴ったスキルとして上位にランクインしているほか、8割近くが⼤企業で⾝に着けた業務を通じた専⾨性・知識/技術(業務知⾒)が役に⽴ったと回答
- スタートアップ転職者の3割強が、フロント業務同様に⼤企業での「⼈事」、「総務」、「経理」、「法務」といったバックオフィス業務の経験を持つ⼈材を求めていると回答
出典:経済産業省「⼤企業からスタートアップへの転職経験に関する調査」
リクルート「スタートアップ転職に関する動向まとめ」
- 総論:スタートアップへの転職は増加の一方、求人の伸びには追い付かず
- スタートアップへの年代別の転職者数推移:ミドル・シニア層の伸びが顕著
- スタートアップへの転職時の提示年収水準:400万円未満の割合が減少
私が印象に残った内容を、本文からいくつか以下に引用します。
日本の経済成長や雇用創出、社会課題の解決の担い手として、スタートアップへの期待が高まっています。政府はスタートアップの育成を「新しい資本主義」の実現に向けた重要施策と位置付けており、2022 年には「スタートアップ育成 5 か年計画」を発表。5 年にわたる官民による支援の全体像を示しました。2024 年の「骨太の方針」にも、スタートアップへの支援の方向性が盛り込まれています。
転職者数は 2015 年度を 1 とした際、2023 年度は 3.1 倍と伸長しており、人材がスタートアップへ移りつつあることが分かります。一方、求人数は 6.8 倍でした。スタートアップの人材へのニーズに、転職者数が追い付いていない状況が表れています。
若い世代ばかりが働くイメージを抱かれることが多いですが、実際にはスタートアップで働くミドル・シニア層も増えています。賃金の面では大企業に遜色ない報酬を支払う企業も多くなっており、柔軟な働き方を実現して優秀な人材を迎え、定着を図る企業も増えています。
『リクルートエージェント』でのスタートアップへの転職時に提示された年収帯別の割合について、2015 年度と 2023 年度を比較したところ、400 万円未満の割合が 67.4%から 41.5%へと、25.9pt 減少していました。400 万円以上の年収帯での転職者の割合は増加傾向にあり、400 万円以上 600 万円未満で 15.2pt 増加。600万円以上 800 万円未満では、6.7pt 増加していました。スタートアップへの転職時には、かつてと比べて提示される年収が高くなってきていると言えます。
背景には、スタートアップの資金調達が増加傾向にあることがあります。ベンチャーキャピタルなどからの「エクイティファイナンス」(株式などの発行に対する出資)のほか、金融機関からの「デットファイナンス」(借⼊、融資)など、資金調達手法も多様化しています。国などからの補助金が手厚くなっていることも、賃金アップに寄与しています。また、ビジネスが軌道に乗って売り上げが伸びるスタートアップも増えており、従業員の賃金に還元できている企業が増えていることも大きな要因です。
出典:リクルート「スタートアップ転職に関する動向まとめ」
調査結果を踏まえた、私の体験から見えるリアル
調査結果を見て、特に共感したのは「裁量の大きさが魅力」という点です。
私自身もスタートアップに転職後、業務の幅が広がり、やりがいを感じる場面が増えました。
年収が下がることについては、瞬間風速的には確かに下がりましたが、自分の裁量や責任が増えたことで仕事の満足度が上がり、短期間で管理職に昇進することができたことで転職前の年収にほぼ戻し、さらなるキャリアアップを目指しています。
また、人事として会社全体の年収レベルを見ていても、着実に向上していることを実感します。
まとめ
スタートアップへの転職は、成長ややりがいを求める人にとって魅力的な選択肢です。
しかし、スタートアップでのキャリア形成は「全員に向いているものではない」という点も忘れてはなりません。
ただし、収入や安定性のリスクもあるため、転職前にしっかりと情報を集め、自分に合った環境を見極めることが重要です。
今回紹介した調査データや私自身の体験が、皆さんの参考になれば幸いです。
スタートアップ転職を成功させるためには、「自分が本当に目指すキャリアとは何か」を明確にすることが何よりも重要です。転職はゴールではなく、新しいキャリアのスタートです。現状に満足できていない方には、挑戦する価値は十分にあります!
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